千葉地方裁判所 昭和43年(わ)445号 判決 1969年10月29日
本店所在地
千葉県柏市豊四季八百二十三番地の十四
有限会社
吉野
右代表者代表取締役
横尾英一
本籍
千葉県柏市柏一丁目一番三号
住居
同県同市幸町四十九番地
会社代表取締役
横尾英一
大正十二年十一月十七日生
右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官仙波敏威出席して審理をすませ、次のとおり判決する。
主文
1 被告有限会社吉野を罰金四百万円に処する。
2 被告人横尾英一を懲役六月に処する。
3 被告人横尾英一に対しこの裁判の確定した日から二年間前項の刑を猶予する。
理由
(罪となる事実)
当裁判所が認定した罪となる事実は、起訴状記載の公訴事実のとおりであるから、ここに、これを引用する。
(なお、判示所得金額等については、別紙1ないし6にそれぞれ記載のとおりである。
(証拠の標目)
一、被告人の当公判廷での供述
一、別紙検察官証拠申請書(乙)写記載の証拠番号1ないし14の書類(標目に「上」とあるは、上申書、「検」とあるは、検察察官に対する供述調書の意)
一、別紙検察官証拠申請書(甲)写記載の証拠番号1ないし52の書類(「検」とあるは、検察官に対する供述調書の意)
一、別紙押収目録写記載の全部の物件
(法律の適用)
被告人横尾英一の判示第一ないし第三の各所為は、いずれも法人税法第百五十九条、第七十四条第一項第二号に該当するので、いずれも懲役刑を選択し、以上は、刑法第四十五条前段の併合罪であるから、同法第四十七条、第十条によつて最も犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重をして、同被告人を懲役六月に処し、犯情が刑の執行を猶予するのを相当と認めて、同法第二十五条第一項によつて、同被告人に対しこの裁判の確定した日から二年間右の刑の執行を猶予することとする。また、被告会社有限会社吉野に対しては、判示第一ないし第三の各所為について法人税法第百六十一条第一項、第百五十九条を適用して処断するところ、以上は、刑法第四十五条前段の併合罪であるから、同法第四十八条第二項によつて所定の罰金額を合算した金額の範囲内で、同被告会社を罰金四百円に処する。
よつて、主文のとおり判決する。
(裁判官 阿部清峯)
起訴状
左記被告事件につき公訴を提起する。
昭和四三年一〇月二三日 四三 わ 四四五
千葉地方検察庁
検察官 検事
千葉地方裁判所
一 本店所在地 千葉県柏市豊四季八二三番地の一四
名称 有限会社吉野
代表者氏名 代表取締役 横尾英一
代表者の住所 同市幸町四九番地
二 本籍 千葉県柏市柏一丁目八二二番地の四八
住居 同市幸町四九番地
職業 会社代表取締役
横尾英一
大正一二年一一月一七日生
公訴事実
被告会社は、千葉県柏市豊四季八二三番地の一四に本店をおき、果物販売等を目的とする有限会社であり、被告人横尾は被告会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人横尾において、被告会社の業務に関し、法人税を免れる目的をもつて、各同社の公表帳簿から売上金額の一部を除外し、簿外預金を設定する等の不正手段により、その所得の一部を秘匿したうえ
第一 昭和三九年九月一日から昭和四〇年八月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額は、一五、四六六、八三四円、これに対する法人税額は五、五四二、四〇〇円であるのにかかわらず、同県松戸市松戸一、三一六番地松戸税務署において同署長に対し、その所得金額は七一六、八七四円、これに対する法人税額は二二二、二〇〇円である旨の偽りの法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度の右正規の法人税額五、五四二、四〇〇円との差額五、三二〇、二〇〇をほ脱し
第二 昭和四〇年九月一日から昭和四一年八月三一日までの事業年度における被告会社の所得額は二三、〇八六、一五五円、これに対する法人税額は八、〇九一、七〇〇円であるのにかかわらず、右松戸税務署において、同税務署長に対し、その所得金額は一、五八八、八〇九円、これに対する法人税額は四四九、九四〇円である旨の偽りの法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度の右正規の法人税額八、〇九一、七〇〇円との差額七、六四一、七〇〇円をほ脱し
第三 昭和四一年九月一日から昭和四二年八月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額は一四、六八九、二四六円これに対する法人税額は四、九三一、一〇〇円であるのにかかわらず、右松戸税務署において同税務署長に対し、その所得金額は四〇二、〇二二円、これに対する法人税額は一一二、五〇〇円である旨の偽りの法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度の右正規の法人税額四、九三一、一〇〇円との差額四、八一八、六〇〇円をほ脱し
たものである
罪名及び罰条
法人税法違反 同法第一五九条、第七四条第一項第二号、第一六四条第一項
修正貸借対照表
昭和40年8月31日現在
<省略>
修正損益計算書
自昭和39年9月1日
至昭和40年8月31日
<省略>
修正貸借対照表
昭和41年8月31日現在
<省略>
修正損益計算書
自昭和40年9月1日
至昭和41年8月31日
<省略>
修正貸借対照表
昭和42年8月31日現在
<省略>
修正貸借対照表
自昭和41年9月1日
至昭和42年8月31日
<省略>
検察官証拠申請書(昭和 年 月 日)被告人氏名有限会社吉野 横尾英一
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押収目録
昭和四四年揮第三六号
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